2015年8月31日月曜日

閑話休題


すっかりす涼しくなり、秋の気配だ

この夏、こころに響く映画や音楽に出会ったので、いくつか徒然に


 

宮古島のアーチスト
 
下地 暁  氏

 
知人家族との合同旅行で訪れたかの地で、リゾートの無料コンサートに足が留まる

素晴らしい歌声と、さんしん、ギターが、南の夜空に吸い込まれる

娘さんと、あと一人キーボードだけのトリオ、

島独特の言葉で歌われる楽曲に、すっかりひかれる

翌日、お土産屋でオリジナルCDMyahkを買う

内外でかなり著名な方、音楽歴も長い

宮古島にもどり、オリジナルな活動を続けておられる、

islanderartist

であることを知った

http://www.shimojisatoru.jp/

 
ちなみにホテルのスタッフさんにうかがったが、普段もとてもよい方だそうだ

聞きこんでも、歌詞の意味はとりにくいのは、外国の音楽のようだが、

決定的に違うのは、主観的であるが、心に「何か」が深く響いてくること
 

ちなみに、Miyakojima Kids Net. http://miyakojima-kids.net/Miyakojima_Hogen-2.html

によれば、宮古の方言には、以下のような特性があるという


『ユネスコ(UNESCO) の調査によると、現在世界に6,000から7,000の言語があり、100年後にはおそらく90%の言語が消滅するであろうといわれている。ユネスコでは、これら消滅する可能性のある言語を、消滅危機言語としてレッドデータブックを作成している。

Moseley, Christopher (ed.). 2010. Atlas of the World’s Languages in Danger, 3rd edn. Paris, UNESCO Publishing

  宮古島の方言は、レッドデータブックでどのあたりに位置するか、研究者によって違うが、いずれにせよ消滅危機の度合いは毎年変化し、このまま何も対策をしなければ、間違いなく消滅危機のレベルは上がり、遠い将来には消滅へと向かっていく』という
  

さらに

『小さな島でありながら集落一つ隔てるだけで違う言葉、異なる表現が使われるという、言語学者にとっては魅力的な土地』

とのことである

 
楽曲は、愛しゃ(カナしゃ)、や、ウヤケンナウレ、など、美しくも力強い

このCDの歌詞ノートに、宮古民謡についてくわしく書かれているが、『方言を知らないと読めない、そんな言霊がある』と、記されている

つたわってくるもの、それは、言霊、なのかもしれない

これから、さっそく注文した下地氏の新譜と、旧譜が届くだろう

 
夏の宮古の記憶は、まだ終わらない

 

 
思春期とは?

旅立ちの時 Running on empty 1988年 アメリカ映画

 
リバーフェニックスの見事な陰りと抑圧の演技、テーマは映画全体にながれる

この両親は、青年期の課題を引きづたまま、仮面の自己愛を維持しようともがいてきた

彼らも、やっと、幻想「家族」共同体から、実社会に適応する旅立ちの時になる

思春期の自分との出会い、そして自己実現を契機する「他者」としての異性や音楽

安定した裕福な家族といえど、そこには既存の価値観への反抗といったテーマが立ちはだかる

活動家の母親と、反目していたその父との再会、既存とは、自らがそのあとを歩む道

理想と現実の狭間で、主人公は、他者を想い、自己を思う

リバーフェニックス自身は、早逝してしまったが、彼の表現はしっかりといきづいている

 

ディアハンター 1978年 マイケルチミノ監督

わたしのfavorite
10代の時から、すでに10回は見ている
50すぎになって、この映画はやはり深く残る

 
前半のロシア移民おおき鉄鋼の町の描写

夜勤明けのばか騒ぎのかなしさ

ロシア正教の結婚式

ベトナムの実体験は、まだ彼らには遠い

そして、シカ狩りの壮大な自然

one shot

と言ってマイケル(デニーロ)はしかを撃つ

 

行きなり、場面は壮絶な戦場の捕虜としての描写

たましいに突き刺さるロシアンルーレット体験

これは、3人の心身をむしばむ

ニック(クリストファーウォーケン)の変容演技は、筆舌に尽くしがたい

彼の快活さややさしさが前半際立っていただけに、、

 
一人帰国したマイケルが、そっとリンダ(ストリープ)を見守る態度に変わりない

ただし、ある隔絶を持って、彼らは必然と支えあうしかない

ふたたび狩りに行くが、仕留めるはずのしかから銃を外す

OK?とこだまする

 
終戦間際のサイゴンに戻り、ニックとのろかけ勝負で、かわす彼らの演技は、

唯一無二だ

山の木々が好きだったろう、といって、ニックを現実に引き戻そうとするマイケル

このあとはかたるまい
 

ラストシーンで、皆がUSAをたたえるうたを歌う

移民国家が故の、愛国心とアイデンティ

多くの犠牲といくつかの過ちの上に、国家も、人生も、成立しているのだろうか?

 
ちなみに、このテーマ曲をきくと、いつもひきこまれてしまう