2012年12月28日金曜日

松井秀喜 選手 に学ぶ

松井選手の現役引退が、報じられている

「苦しみやつらさこそが、生きている証しではないでしょうか。
僕は、生きる力とは、成功を続ける力ではなく、失敗や困難を乗り越える力だと考えます」
(不動心 新潮新書 より)

眼先の結果ばかりに流されがちなこの時勢、

本質を貫く彼の姿勢が、深くわれわれに問いかける



この年歳を機に、投稿もしばし暇をいただく




2012年11月26日月曜日

出てよかった診断学会

32回診断学会は、大変勉強になった

各シンポジウムの内容が、いずれも重要かつ興味深く、
発表者もベテランから若手まで、内容が濃密だった
ランチョンも、おざなりでないアップデートなものだった
質疑では、北村俊則先生が厳しい質問をなされ、
この学会ならではの緊張感がみなぎっていた

DSM-5の動向、何やら心配な改定だが、
気分障害では双極性障害の扱い、人格障害では査定の複雑化など、
充分な研さんが求められそうだ

混合状態については、精神病理から操作カテゴリーまで、
豊富な情報が得られた
これも、一朝一夕にものにできれそうにない

成人の発達障害についてのセッション、
同感する点が多かった
各演者が、良く論点をまとめておられた

最後のNIRS、
精神医学診断の客観化に、
大きな期待を寄せている点、
当事者、医療者、研究者いずれも同様、
それを実感させるとともに、
課題が浮き彫りになったように感じた

ポスター会場が狭く残念だったが、
主任教授レベルが複数発表されていることに、
うれしい驚きを抱きつつ、
宜野湾の地を後にした

やはり診断学は、重く、深い


2012年8月22日水曜日

摂食障害センター設立に向けての講演会

10月5日に、政策研究大学院で、表記の開催をご案内します

13時から、1回想海楼ホールにて、会費1000円です

日本の診療状況に関する、ディスカションが行われます

鈴木明子氏も、ビデオメッセージを寄せられます

終了後に、プレスリリースもあるようです

申し込みは、鈴木眞理先生まで

http://www.grips.ac.jp


2012年7月28日土曜日

五輪開会式、そしてbiutiful

オリンピック、入場の選手団は、まずギリシャ、そしてアフガニスタン、、、
世界は、決してバラ色でも、お祭り一色でもないのであろう


開会式は、英国の歴史、
牧歌的な風景、複雑な経緯がかいまみえる、
イングランドはともかく、スコットはエイジンバラに招致したいの?
というくらいの拍手の違い


ラグビーとクリケット、決して五輪競技にはなりえないが、
しっかりと映像で登場


そこからSF的な舞台に変容
煙突が伸び、煙がまい、リドリースコット調だ
画面に映る人々は、すすにまみれ、決して明るくも楽しそうでもない
しかしそれをしっかりと映す、前回大会とのまずは違いか?
自尊と自己愛との大いなる差異


ケネスブレナー演じる、近代文明の権化、
煙突はセリ上がり、パーカッションはこれでもかとせきたてる
銀行員、公務員、自営業、、、だれしもが、この歯車とリズムの中にいる
そして、ほっと、抜けることもできはしない


合間の映像は、ダニーボイルの描く
上質な映像エンターテイメント
スピード、動き、温かみ
トレインスポッティングから、かわりませんね
マジェスティークイーンの登場の段、拍手の演出


彼の視点、マイノリティーや病者にあること、ひしひしと通じる
上からでなく、同じ目線で


五輪で英国の保険医療制度を、クローズアップするとは!
ある種の皮肉や批判にも受け取れます






なぜかここから
バルデムの名作
biutifulへ


これもけっして、
美しくも、きれいでも、美談でもない
死に向かう裏人間が、
子供思い、仲間を思い、
しかしむかうべきは、現実


荒んだ社会
移民と汚職と薬物と、、


究極、共通するのは、
生と死
人間の、すり減った真のところにある、何かしかない
賢者も、富者も、善人も、、、
それしかない
大切な、なにかとは?


決して我が国が描けないであろう、映画
そして、開会式も、それと近い、感触
東京で、もし開かれたら、
歴史を、暗部を、弱者を、我々の社会は、世界に奇麗事でなく、伝えうるのか?


しかるべき進化を、
すすむのであろうか?




入場式は、
イラク、イラン、とすすむ






このあと、
ポールが
ジョンの息子を力づけるために作ったといわれる、
そして、僕が高校時代に若干の思いもある歌を、
ライブパフォームするという




選手の皆さんの、
それぞれの生きざまに、
乾杯!!

2012年7月9日月曜日

障害支援という名の「一つ目」

今日、表記をめぐる会議に、出た

わからないものは、「障害」と規定される、こわさ

スティグマをめぐる、違和感

障害が障碍として成立してしまう、

そのことにこそ、根本の議論があるのに、、、


語っても伝わらない、無力感


立ち位置の、相違


体験の、隔絶


これはまさしく、

マジョリティーとしての、意識、そして、マイノリティーの、あがき

おそろしくも、虚しいが、、、これは、現実であるのも確か

メンタルとか、精神科とか、なんでも平易にレッテルづけされうる、この社会は、、、



田坂氏の、言説によりどころを求めた
http://www.hiroshitasaka.jp/tayori/tokusen23.pdf



田坂広志 風の便り 特選 第23便


「一つ目国」の悲劇



ある旅人が、旅の途中で道を見失い、
不思議な国に迷い込んでしまいました。

その国は、一つ目人間の国だったのです。

その国の住人は、誰もが、目が一つしかない人々であり、
旅人のように目が二つある人間は、
一人もいなかったのです。

その国に迷い込んだ当初、
旅人は、変わった風貌の住人を見て驚き、
そして、しばらくは、
彼らを不思議に思って眺めていました。

しかし、その国で過ごすうちに、
旅人は、だんだん孤独になってきました。

自分だけが二つの目を持つことが
異常なことのように思われてきたのです。

そして、その孤独のあまり、
ついに、その旅人は、
自ら、片方の目をつぶし、一つ目になったのです。


この旅人の悲劇は、決して、
遠い彼方の国の物語ではありません。

なぜなら、
我々も、しばしば、
この旅人のように、
自ら、片方の目をつぶそうと考えてしまうからです。


自分自身であることの孤独。

そのことに、耐えられず、
自分自身であることを
やめようと考えてしまうのです。



2012年6月26日火曜日

思春期自傷者の「息苦しさ」は「生き苦しさ」(有賀氏より)

「思春期における自傷の臨床類型-トラウマ・乖離に関連する自傷と発達障害に関する自傷の異同、精神療法、2012年6月号」の言説から


『、、、周囲は声高に個の多様性を説きながらも、「画一的」で「団結」することに価値を置き、「少数派」の排除を促進する社会を確実に形成しているのではないか、、、、

、、、多数派の他社を価値基準にしている文化習慣に納得もなじめもせず、主張することも容認されず、、、思春期に排除はピークをむかえ、やがて孤立し、自己嫌悪を増幅し、自傷を促進する、、、

、、言葉でない形の自己表現、、』

(有賀道生 氏、国立のぞみの園)

力のこもった、総説です。

2012年5月18日金曜日

閑話-先輩方とふたたび、同じ職場にて

この春から、大学の先輩E先生がひらかれている病院で、
ほんの少しだけお手伝いをさせていただいています

そこには、かつて研修医時代に教えをいただいたK先生、
若き時代に研究を一からしこんでいただいた恩師のおひとりである佐藤哲哉先生も、
勤務されていたのです
ほかにも、群馬大で病棟をともに運営した後輩A先生も力を発揮されており、
職員のみなさんも、大変生き生きと働いています
E先生の運営方針と努力、副院長をされているK先生のお人柄によるところが大きいでしょう

新潟時代、臨床研究の大変さや意義、世界に向かって発信する醍醐味を、
厳しく鍛えていただいた佐藤哲哉先生に、
しばし不義理をしていましたが、
再び言葉を交わす機会をいただいています

哲哉先生は長らくドイツのミュンヘン大学で教授をされており、
健康問題から帰国して以降、この病院で勤務されておられました
7月から、ドイツにもどられるとのこと、本当に短い邂逅です

急逝した坂戸薫先生とともに、佐藤哲哉グループとして、
それなりに評価されている一連の臨床研究を成し遂げたことは、
わたくしを根底から支えております

あちこち非常勤としてしてかかわることが多いのですが、
管理者やマネージャーの大変さを、つくづく実感します
その人柄や力量で、職員や私たちも、
随分と働きがいや気持ちがかわるものです

声高で立派な主張や、
対立をあおるような批判だけでは、
なかなかついて行けないですね
目の前の職員への目配りや、
先輩後輩との関係を控え目にも大事にすること、
そんなあたりまえの事を、
あらためて痛感する今日この頃です









2012年3月30日金曜日

「後藤雅博全仕事」、金剛出版より、just arrived!



『協働するためには、そのシステムとジョイニングし、リンクする必要があるわけで、どうも形式や題材、領域は違っても、「システムとしてみること・ジョイニングすること・協働すること」、の必要性を、繰り返し主張してきたのではないか。』
- 家族を治療する、から、家族と治療する、をへて、家族が治療する、へ。

from
家族心理教育から地域精神保健福祉まで 
システム・家族・コミュニティを診る

GOTO Masahiro

金剛出版、2012
http://kongoshuppan.co.jp/dm/dm.html

恩師の論集です。我が国の、精神保健福祉の変容と重なる、流れるような、感慨深い一冊です。
必読!

2012年3月2日金曜日

Paper from the World Congress of Psychotherapy 2011

Practice and philosophy of psychoeducation: Towards sublation between evidence and narrative.
has been just published

IN Updates from Angiology, Microcirculation, Psychotherapy. (ScienceMED, vol.3, n.1), p85-90,
by the International Proceedings Division, Medimond s.r.l., Bologna, Italy, 2012.



It is very delighted if you would have a look.

http://www.medimond.com/proceedings/moreinfo/20111006.htm