2010年5月17日月曜日

エビデンス、それはローカルな知恵の一つ

エビデンスとは、何か?

その時代や文化で、専門家といわれる人々が、最先端のテクンロジーや知識、手法をもとに確認した、科学的事実。
しかし真実とは言い切れない。

確認された効果やメカニズムが、その時代を少しすぎれば、書き換えられることも多い。
西洋文明を共有する人口は、世界総人類の約70億中、いかほどだろうか?

そうすると科学的事実も、その時代、社会、一部の人々にとっての、ローカルな知恵、なのではないか?
ただし、それを追求する努力と志は、医療者としての使命ではある。

その人にとってのちょっとした信仰や、偶然としか言いようのない出会いがもたらす変化、
グループで語られたプロセスが図らずも共有されること。
きわめてローカルな語りと知恵の、効するときがある。


ローカルな知恵、それは、人類の歴史とともに積み上げられてきた文明の数、人生の数をこえてある。
地道に何千年と培われたローカルな知恵は、医療として古典化している。
エビデンス至上主義のもと、ローカルな知恵を排除すべきではない。

目の前の臨床的事態に、ローカルな知恵を適切に参照して処すること。
もちろんエビデンスも、ローカルな知識の一つとして。

(小森康永氏の著作、ナラティブ実践再訪を読んで)

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