2016年1月19日火曜日

保健福祉学専攻長としての抱負と展望


 

保健福祉学とはどんな研究分野なのでしょうか?一般的に知られている保健学は、「Health Sciences」の邦訳で、健康の探求とその維持・増進を目的とする諸科学を統合した総合科学のことです。そこに福祉「Welfare」の視点や方法論を加味し、保健医療と教育・心理・社会経済などの学際融合を目指す学問領域を指します。ライフサイクルにおける身体・精神・社会的な健康増進、家族や社会関係を発達的視点に基づき支援するための保健福祉システム、それを支えるマンパワーやリソースの確立などがテーマとなります。

 

関係する領域や専門性は極めて学際的で、包含される方法論も、いわゆる公共的な手続きを踏む数量的研究から、理論概念研究、場合によっては質的なモノグラフまで多岐にわたります。よく言えば多彩で魅力的、異分野連携が不可欠であり、大変興味深いテーマがたくさん存在する世界です。しかし、それ故に、アイデンティティーを失いかねない事態も起こりえます。・・・私の専門はいったいなんだろうか?

 

こうした多様性に宿る本質とは、いったいどのように培われるのでしょうか?それには、研究内容や領域に目をむけるばかりでなく、どこで、だれと、どのような、どんな時代や未来に向けて、誰のために行ったか?こうした問いに向き合うことが、必要なのかもしれません。保健福祉学に関わる研究者や実践者の存在意義と個性は、テーマ(仮説)から湧き出る熱意や、研究方法からにじみ出る姿勢、結果を考察する視点からうかがえる倫理感などに、おのずと示されるのではないでしょうか

 

関係する領域や専門性は極めて学際的で、包含される方法論も、いわゆる公共的な手続きを踏む数量的研究から、理論概念研究、場合によっては質的なモノグラフまで多岐にわたります。よく言えば多彩で魅力的、異分野連携が不可欠であり、大変興味深いテーマがたくさん在る世界です。しかし、それ故に、アイデンティティーを失いかねない事態も起こりえます。・・・私の専門はいったいなんだろうか?

 

こうした多様性に宿る本質とは、いったいどのように培われるのでしょうか?それには、研究内容や領域に目をむけるばかりでなく、どこで、だれと、どのような、どんな時代や未来に向けて、誰のために行ったか?こうした問いに向き合うことが、必要なのかもしれません。保健福祉学に関わる研究者や実践者の存在意義と個性は、テーマ(仮説)から湧き出る熱意や、研究方法からにじみ出る姿勢、結果を考察する視点からうかがえる倫理感などに、おのずと示されるのではないでしょうか。

 

さて、これからの大学院に求められる活動として、いくつか想起するポイントがあります。大学が、これまでの義務教育延長の場となりつつある今、学部教育でおこなわれる研究業績、産学連携、地域貢献は、その内容と方法が近似せざるを得ません。少子化による入学者数の減少と大学数のアンバランスが故に、運営が持続困難に陥りかねない事態さえ憂慮されています。質の平均化により、各大学の個性が平均共通項的なテーマに集約されていくことは、自明ともいえます。今後、関係資本、魅力資本、信頼資本、ブランド資本など、目に見えにくいリソースを作り上げる場は、一部の有名大学を除き、大学院にこそ潜在すると考えています。現段階で、可能性のあるアクティビティのアイデアが、いくつかあります。

 

1. 学内コンソーシアムから 介護福祉系・工学情報系・医療食品薬理系などのベンチャー創世

2. 多領域連携教育実習体験指導者の育成と外部からの受入れ

3. コンサルテーション・ステーション(スーパーバイズ機能やフィールタンク機能)と情報発信(メディア)機能を持つ大学院へ

 

学内(県内)の他専攻や研究科との協働、地域のOBGや関係専門職の大学への参画、ポッドキャストやレクチャーの動画配信などによる対外発信を通じ、私ども専攻は、さらに切磋琢磨していきたいと考えています。

 

今、2016年、世界には強烈な分断の兆しが見えかくれし、多様な価値観の鋭いせめぎあいにあふれています。ウエッブ2.0による世界では、小さな揺らぎや波動は、またたくまに拡散し、予測の難しい非線形の創発を示すといわれます。あたかも生き物のような自己組織化により、相互作用以上の影響があらわれます。これは、ささやかな肯定的な発信にも当てはまる、複雑系ゆえの事態です。とするならば、地方の中小私大の大学院一専攻からの活動発信が、時に世界へと影響をあたえるかもしれません。

 

真の連繋と協働に向けて、これから入学される、今学ばれている学生のみなさん、指導される先生方、興味関心をお持ちのご縁ある方々に、このメッセージを送る所以です。

 

どうぞ、これからの保健福祉学専攻を、注目してください。

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